“特殊小径ピン.COM”では、様々な材質の特殊小径ピンならびに、小径ピンの周辺部品を製作しています。
特殊小径ピンを製造する際に鉄系の材料もよく使用されます。具体的はSK4、コバールなどが挙げられます。また、小径ピンの周辺部品ではNAK55、SKD11、S50C、SKS3などが挙げられます。もちろん、他の材質も対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
特殊小径ピンに使用される主な鉄系材料
SK4
SK4は工具鋼のなかでも使用頻度の高い鋼材です。C量が0.6~1.5%で焼入れ・焼き戻しを行うことで硬度を出すことができる材料で、硬度のほか耐摩耗性にも優れ、切削工具に使われるタイプもあります。ただSK材全般は高温になると硬度が低下する特徴があり、熱の発生の比較的少ない製品に使用されます。JIS規格では11種類の鋼種について規定されています(以前はSK1、SK2、SK3、SK4、SK5、SK6、SK7の7種類)。
コバール
コバールの組成としては、コバルト17%、ニッケル29%、鉄54%で構成されている合金です。名称が示すとおり、ニッケル合金だけでなく、コバルト合金ともいえます。主にガラスと金属の封着用に使われるため、ガラス封着合金、ガラスシーリング用合金とも言われます。なおコバールという名称はCarpenter Technology Corporationの登録商標になりますが、Fe-Ni系合金の代名詞のように使われることもあります。
小径ピン周辺部品に使用される鉄系材料
NAK55
NAK55は大同特殊鋼のプラスティック金型材で被削性が極めて良好です。37~43HRCの硬さですが、その被削性は33HS(18HRC近似)のS53Cとほぼ同等で、30HRCのSCM440より遙かに優れています。真空溶解していますので、ピンホールも出にくく、鏡面の光沢が出やすく優れた鏡面仕上げ面と満足な光沢が得られます。 切削加工面が優れているので、研削加工が容易です。硬さが高いので、耐摩耗性、耐圧性が大きく、型寿命が大幅に伸びます。
SKD11
SKD11は冷間金型用の合金工具鋼のうち、SKD1と同様、常温での耐摩耗性に特に優れた鋼材です。窒化処理によっても高い硬度を得られることが知られています。
S50C
S50Cは高炭素鋼で、炭素含有量の代表値が0.50%のものをいいます。炭素の含有量は、0.6%までは増えれば増えるほど硬度が増しますが、それ以上になると硬度はあまり変わらずに、脆さが目につくようになります。したがって、このあたりのバランスを考えた鋼材の選択が重要となります。硬度重視、耐摩耗性重視の場合に効果のある材料かもしれません。
SKS3
SKS3は焼入れ後の変形が少なく、特殊元素としてタングステンを添加しています。工具鋼SK材と比べると、同じ炭素量のSK材の変形に比べて半分以下の変形しかしないとされます。
これら鉄系材料は主に半導体検査装置等の電気コネクタの接触通電部位(コンタクトプローブピン)の材料として広く用いられています。