ポケット加工において形状変更によるコストダウンのポイント①
ポケット加工において、上図のような角部が直角である加工を行う場合、エンドミルを用いた加工では、工具にRがついているため、角部を直角に加工することは不可能です。このような直角の要求を満たすためには、形彫放電加工を用いて加工する必要があります。その結果、形彫放電加工は切削加工よりもチャージが高く加工時間が長いため加工コストが高くなります。
ポケット加工が必要な部品の設計では、エンドミルを使用した時に、どのような加工が可能であるかを知っておくことがコストダウンのポイントとなります。部品の機構上、ポケット加工の角部が直角である必要がない場合は、角部を直角からRに形状の設計変更をすることでコストダウンが実現できます。角部がRであれば、工法転換により形彫放電加工を必要とせず、エンドミルだけで加工ができるため、加工チャージの低下と加工時間の減少による大幅なコストダウンにつながります。